【愛フェス特集】被災地でのボランティア活動をサポート。幅広いネットワークで復興支援を続けるNPO法人「遠野まごころネット」

「まけないぞ!岩手」の文字がプリントされたTシャツやタオル。
支援グッズの一つとしてNPO法人「遠野まごころネット」のブースで販売されていました。

今回、「東北支援」をテーマに開かれた「愛フェス」。
愛知県長久手町の愛・地球博記念公園で
2011年10月8日(土)、9日(日)の2日間にわたり開催され、
東日本大地震によって甚大な被害を受けた東北の被災地を応援しようと、多くの一般客が来場。
東北からも100人をこえる人たちが参加しました。
会場では多くの団体が出店し、復興に向けた活動内容の紹介や支援グッズの販売などが行われ、
多くの人でにぎわいました。

岩手県から駆けつけたNPO法人「遠野まごころネット」も、出店していた団体の一つ。
ブースでは、同県沿岸部の被災状況や現地での活動を紹介するパネルが展示され、
スタッフが来場者に説明し支援を呼びかけていました。
同県の遠野市に拠点を置く「遠野まごころネット」は、
被災地を支援するため市民を中心に結成されたボランティアネットワークです。
ネットワークには、県内外から多くの団体が加わり、
大震災の直後から被災地でさまざまな復興支援を行っています。

「遠野まごころネット」では、インターネットによる支援金や物資提供の呼び掛け、
避難者の心のケア、支援物資の運搬や配送、避難所での入浴サービス、
がれきの撤去など、さまざまな緊急支援を現地で行ってきました。
現在は、これまで行ってきた取り組みを継続しながら、
「個人」「基本的復旧」「地域」「起業」「検証」の5つの分野でサポート体制を築き、
被災地の復興と再生に力を入れています。

県外からのボランティアの受け入れにも積極的で、
「初めての災害ボランティア」体験報告会を東京で開催するなど、
ボランティアを希望する人が現地でスムーズに活動できるような情報も提供しています。
遠方から参加するボランティアのため、宿泊場所の提供や被災地への送迎も担い、活動をコーディネート。
現地でいま必要とされている支援に応えるための体制を整え、被災者への支援を続けています。

なにかしなければと現地へ

活動内容を説明してくれた事務局スタッフの木寅健吾さんは、愛知県春日井市在住のボランティア。
震災後に「なにかしなければ」と、ボランティアの受け入れ先を探し続けるなか、
「遠野まごころネット」の存在を知り5月に現地へ。
以来、被災地の支援活動に参加するため愛知と岩手を行き来しています。

ボランティアが活動する先は、遠野市から車で1時間ほどの距離にある
大槌町、釜石、大船渡、陸前高田市の沿岸部で、津波によって壊滅的な打撃を受けたところです。
震災の発生からしばらくは、
がれきの撤去や冷蔵倉庫から流出した水産物の除去などの作業が多かったそうですが、
今後は仮設住宅で不安のなかつらい避難生活を送っている
被災者への直接の支援がさらに重要になると話します。
これから本格的な冬へと入り、東北の地は厳しい寒さにさらされます。
木寅さんは、不安とストレスに囲まれたなか
避難所暮らしを続ける人々の健康状態をとても気にかけていました。

地元の人々が希望をもてるように

「愛フェス」に参加した「遠野まごころネット」のブースで。
前列左が藤原ヤエさん。後列一番右が木寅健吾さん。

「遠野まごころネット」のブースでスタッフの木寅さんから紹介を受け、
大槌町から「愛フェス」に参加した藤原ヤエさんに現地の状況などをうかがいました。
同町で米作やシイタケ栽培などを夫婦で営んでいた藤原さん。
大地震直後の津波の被害からは逃れることができ、家屋や農地も無事でしたが、
その後は電気も止まり電話も不通。
食べ物もないなかで大変つらい思いをしたそうです。

そんな苦境のなかで、なんとかしなければと、
藤原さんは娘のいる県内の北上市から支援物資として受け取った米やおにぎり、
自宅にあった米も炊いて、多くの人が避難する地元の老人ホームへと運んだそうです。
所有する農地は、仮設住宅を建てる場所として提供し、現在も約70世帯が避難生活を送っています。
藤原さんは、かつての暮らしの場を失いつらい避難生活を続けている地元の人たちのことを案じ、
「仮設所のなかにいてはどうにもならない。なんとか働く場が見つかれば」と話します。
働く場が見つかり、崩壊した地域での交流が再び復活すれば、「みなさんも活気づく」。
藤原さんは、被災した人々が希望をもって生きていけるようになることをなによりも望んでいます。

地元で手作りの米だんごをつくっているという藤原さん。
この米だんごは大槌の名物になっているそうで、
この日もブースでは100パックが販売されましたが、訪れたときはすでに売り切れでした。
藤原さんは震災後も米だんごをつくり続け、地元の産地直売所に卸していましたが、
そこで「遠野まごころネット」のスタッフと出会い、交流がうまれたのだそうです。
大槌には、いまも全国から多くのボランティアが駆けつけ活動しています。
「がんばってくれています。感謝と感激で言葉もないです」。
最後に藤原さんは、一言ひとことをかみ締めるようにお礼の言葉を述べました。

期待される継続した支援活動

夕方からのステージで披露された大槌町の伝統芸能「徳並鹿子踊」。

この日は愛フェス2日目の最終日。
夕方からのステージでは、大槌町を拠点に活動する音楽集団「和美東(わびとう)」の演奏があり、
続いて同町の伝統芸能である「徳並鹿子踊(とくなみししおどり)」が披露されました。
演じたのは、同ネットのブースでスタッフの方から紹介された、
和美東の大久保正人さんをはじめとする大槌のみなさん。
大久保さんも津波によって大きな被害を受けた一人です。

夕暮れのステージでは、琴線をゆさぶる笛の音と割れんばかりの太鼓の音が響きわたり、
激しい鹿子の舞いが繰り広げられました。
「遠野まごころネット」のスタッフのみなさんも最前列でじっと見つめています。
みなさんの魂のこもった演奏と踊りにどんどん引き込まれ、
気がつけとステージの前方で頭のなかが空っぽのまま無心で立ち尽くしていました。
陽がすこしずつ傾いていくなか、復興への願い、
そしてこれまでの支援への感謝の思いを込めた熱いステージに、
会場からは大きな拍手が寄せられていました。

被災地の受けた傷跡はあまりにも深く、復興と再生の実現には、
さらなる支援が欠かせません。
同ネットが果たしているボランティアの活動を支える役割は、
今後ますます重要となり、被災地での継続した活動が期待されます。
こうした団体の取り組みを応援するのも、復興の後押しにつながる大切なこと。
復興の支援に力を入れている団体が出店し、多くの人々を巻き込み、
被災地との交流を深め支援の輪を広げる愛フェスのようなイベントが、きっと大きな力をうむはず。
被災地に未来を照らす、たくさんの明るい希望の灯りがともることを願い、会場を後にしました。
 

■遠野まごころネットhttp://tonomagokoro.net/

編集員 取材後記

被災地から参加した人とそれを応援する人たち、また来場した一般の多くの人でにぎわった愛フェス。会場では、どこを歩いていても一体感のようなものが伝わってきました。これからもずっと被災地を見守り、応援していくという気持ちを一人ひとりがもち、その思いを送り続けることが大切ではと改めて思いました。現地で活動を続ける団体を応援することは、復興への取り組みを支えることにつながっている。今回の取材を通してこのことを強く実感しました。
(新美貴資)

イベント情報

イベント名 愛フェス2011
会場 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)地球市民交流センター
住所 〒480-1101
愛知県愛知郡長久手町大字熊張字茨ヶ廻間乙1533-1
開催日時 2011年10月8日(土)、9日(日) 13:00〜18:00
URL ファンドレイジングイベント [愛フェス]

2011年10月9日現在の情報になります。


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