こだわりではなく当たり前のこと—旅館さらしなや

明治から平成へ、中山道福島宿を見つめてきた旅館さらしなや

木曽川上流域の地産地消を訪ねる取材が始まった昨年10月以来、宿泊先として偶然見つけた
木曽福島の「旅館さらしなや」を、DoChubu事務局は宿泊を伴う取材で毎回お世話になってきました。
何が気に入ったかって?それは地元の食材豊かな食事に、日常と違う何か・・・
言葉ではうまく表現できませんが、ある種の嬉しさが溢れてくるからです。
ちなみに建物の造りはきれい、立派と言うほどではありません。
「旅館って名乗っているのが申し訳なくって」と謙遜する女将、安藤みね子さんにお話をお聞きしています。

この地の食を語る上で外せない「すんき」

木曽地域の北部を中心に昔から冬の保存食として食べられてきたすんき、
DoChubuでも度々取り上げてきましたが、女将さんの漬けるすんきは開田から貰ってきた種を使っています。
「初めてすんきを漬けた時は失敗ばかりで・・・」、地元の年配の方から習ったとのことです。
女将さんは木曽の人ではなく、安曇野の池田町から嫁いで、今こうやって旅館を切り盛りしているのです。
「美味しいって言ってくださるお客さんにはサービスで(お土産に)あげちゃいます」とも!

土いじりに始まるおもてなしとは

女将さんお手製の野菜と漬け物が使われた夕食

朝食には(待望の)すんき漬けのお味噌汁が出ました

土いじりが好きと話す女将さんは、旅館の周りに畑を持っていて、採れた野菜は夕食・朝食へ出てきます。
今回の宿泊で、シーズンが終わりに近づいたすんきはみそ汁として、朝食のメニューにありました。
「私は自然の物が好きなので、手作りの物を心がけて、お客さんに提供しようと」、
料理の美味しさと共に、女将さんのこだわりではない当たり前のおもてなしが、
宿泊客へ確実に伝わってくるようです。

すっかりうち解けた、事務局小穴と女将さん

編集員のココがオススメ!

住んでみると都ですね〜こう話す女将の安藤みね子さんは4代目、明治から平成へ、中山道福島宿を見つめてきた旅館さらしなやの営みは、決して順調ではありませんでした。昭和2年にあった町の大火で上町(かんまち)の本館が焼け、昭和58年9月に長野県へ接近した台風10号の豪雨ではヒノキ造りの新館が流され、どちらも大きな痛手を被りました。
「町の案内人」として木曽福島の歴史・町案内を受けてくれる女将さんは、取材中も関所や宿場の面影を残す見所、島崎藤村と木曽福島のつながりなど、観光情報をたくさん教えてくれました。これから町歩きに良い季節、木曽路の旅の一コマに、お勧めコースを頼んでみてはいかがですか。

(小穴久仁・倉田和己)

店舗情報

住所 木曽町福島6168
アクセス JR中央線「木曽福島駅」より徒歩約8分 駐車場あり(無料)
TEL / FAX TEL:0264-22-2307
FAX:0264-23-3103
E-mail info@sarashinaya.com
URL 旅館さらしなや
blog 長野の旅館の女将奮闘記★旅館さらしなや★

2009年4月22日現在の情報になります。

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